法務局における遺言書の保管

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法務局における遺言書の保管

2019/12/03

 12月に入り今年もあと1か月足らずとなりました。1年がものすごく早く感じ、限りある時間の大切さを改めて実感しているところです。今年できることはできる限り今年のうちに終わらせ、来年に持ち越さないようにしたいと思います。

 さて、今回は法務局における遺言書の保管制度について、お話したいと思います。

 まずはじめに、①この制度は遺言書の中でも自筆証書遺言に限られます。

        ②利用できるのは、令和2年7月10日からとなります。

 自筆証書遺言書については、自ら作成したものを金庫などに入れて保管されていることが多いと思いますが、実際、遺言者が亡くなったあと、相続人が遺言書の有無やその在りかについて知らず、遺言書が発見されなかったり、また遺言書の内容が他人に書き換えられたり紛失してしまったりと不都合な点もあります。

 しかしながら、自筆証書遺言を法務局内で保管することによって、保管後はこれらの懸念が解消されることになります。

 相続人は、遺言者が亡くなるまで、法務局に保管された遺言書の内容を知ることができないため、遺言者としては、遺言書を作成し、法務局に保管している旨さえ相続人に伝えておけば、遺言の内容を相続人に知られず、かつ相続発生後、相続人に遺言書に従った相続手続きをしてもらえることになります。なお、相続人は、相続発生後については、法務局に対して、遺言書の証明書交付請求や閲覧請求ができることになっています。この時点で相続人は遺言書の内容を知ることとなります。

 また、遺言書原本が法務局内で厳重に保管されるため、他人による書き換えや紛失の心配もありません。

 さらに、自筆証書遺言については、遺言書に基づく相続手続きをするにあたり、相続発生後、家庭裁判所にて検認手続きをする必要がありますが、この制度を利用して法務局に保管している場合は、検認の必要もなくなります。これは、前述のとおり、他人による改ざん(書き換え)のおそれがないためです(家庭裁判所における検認制度については、次回お話をします。)。

 このように、法務局における遺言書の保管については、画期的な制度となりそうですが、実際の運用は令和2年7月10日からとなりますので、ご注意下さい。

 なお、この制度のその他の概要を以下箇条書きしますので、ご確認下さい。

・遺言書の保管申請は、遺言者の住所若しくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所の遺言書保管官に対してすることができる。

・遺言書保管所に自ら出頭して行い、その際、遺言書保管官が本人確認を行う。

・遺言書保管所の施設内で、遺言書の原本及び画像情報等を保管する。

・遺言者は、保管している遺言書の閲覧請求ができ、また保管申請の撤回もできる。

 ※遺言者の生存中は、遺言者以外の方は、遺言書の閲覧ができない。

・遺言書の保管や閲覧には、手数料がかかる。

                         以上