遺言

お問い合わせはこちら

ブログ

自筆証書遺言 法律の改正により方式が緩和

2019/11/26

 前回の遺言書の種類の中で、自筆証書遺言については、厳格な要式があり、遺言者が遺言書の全文、日付及び氏名を自書(自ら書くこと)してこれに印を押さなければならず、これを欠いた場合は無効となる旨ご紹介しましたが、法律の改正により2019年1月13日以降、新しい方式に従って遺言書を作成することができるようになりました。

 すなわち、民法968条第2項に新設された規定によって、自筆証書遺言に財産目録の全部または一部(以下「財産目録」といいます。)を添付する場合は、その目録については必ずしも自書する必要はなく、パソコンでの作成や遺言者以外の人に作成してもらうこともできるようになりました(不動産については登記事項証明書を財産目録として添付したり、預貯金については、通帳の写しを添付することでも差し支えないとされています。)。

 ただし、この財産目録には、各ページに遺言書が署名押印をする必要があります。押印については、特別な定めがないため、本文とは異なる印鑑でも構わないようです。また、添付の方法についても、特別な定めがないため、本文と財産目録をステープラー(ホッチキス)でとじたり、契印する必要はないようですが、一体性を明らかにする観点から、とじたり、契印を施すほうが望ましいと思われます。

 これまでは、自筆証書遺言書を作成する際に、財産が多数あり、数人の相続人に異なった財産を相続させる場合、「Aに別紙財産目録1記載の○○(不動産)を相続させる」「Bに別紙財産目録2記載の○○(預金)を相続させる」「Cに・・・」として、財産目録に各相続人に相続させる財産の情報(土地であれば所在・地番・地目・地積、預金であれば、金融機関、支店名、種別、口座番号など)を記載していましたので、財産目録を自書で作成するとなると、財産が多くあるほど遺言者の負担も大きくなり、大変な思いをされていました。

しかしながら、前述のとおり、今回の法律の改正によって、遺言者の署名押印がある財産目録については、パソコンで作成したり、遺言者以外でも作成できるようになりました。本文については、繰り返しとなりますが必ず自書となりますので、この点は間違いないようにしないといけません(念のため、作成した後は専門家にチェックしていただくことをお勧め致します。)。

 なお、自筆証書遺言には、もう一つ改正点があり、作成した遺言書を法務局で保管してもらうことができるようになります。これにより遺言書の紛失の恐れがなくなり、また検認手続きを省略することができるようになります。ただし、こちらは2020年7月10日からの運用となります。

 次回は、この法務局における遺言書の保管制度についてお話をしたいと思います。