遺言書の種類について

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遺言書の種類について

2019/11/17

 秋の冷気が次第に強く感じられる季節になり、電車内でもマスクをされる方が散見されるようになりました。インフルエンザの流行期も全国的に例年よりも早いようですので、対策もぬかりなく。

 さて、今回は遺言書の種類についてお話したいと思います。

 遺言書は、自分の財産をどのように承継させるか自由に決められ、また相続が発生した後、相続人間の紛争を防ぐ効果もあることから、興味、関心がある方も多いかと思います。

 その遺言書については、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類の形式があります(厳密には、緊急時遺言、隔絶地遺言など特別方式による遺言もありますが、細かい話となりますので、今回は省略させて頂きます。あしからず。)

 自筆証書遺言とは、ペンと紙があれば、費用をかけずにいつでも気軽に作成できる形式の遺言となります。民法968条には、「遺言者がその全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」と定められています。自書とは自らが書くことをいいます。したがって、パソコンに打ち込みこれを印刷したものでは、有効とはいえません(ただし、法律の改正によって、財産目録はパソコンでの作成でも可となりました。)。押印は実印である必要はありません。このように、他人を介さずに、自分の好きな時に作成することができる点に、利点があるといえます。一方で、上記のように形式上の要件の一つでも書けると有効とは認められず、また遺言作成時に、遺言能力(遺言書の内容を理解し、遺言書から生じる効果を理解する能力)があったか争われ、無効となるケースもあります。また、相続が生じた後に、紛失すると再発行できないとの欠点もあります。

 それでは、公正証書遺言についてはどうでしょうか。

 公正証書遺言とは、遺言者が希望する内容に従い、専門家である公証人に遺言書を作成してもらう形式の遺言となります。公証人に対し遺産の額に応じた費用を支払う必要があり、また証人2人を用意し、公証人と面談する必要がありますが、自筆証書遺言と比べて、専門家である公証人が遺言書を作成することや、公証人において一応遺言能力を確認していることから、無効となるリスクが軽減されます。また、公証役場で、遺言書を保管するため、遺言書の紛失や偽造を防止することができます。

 最後に、秘密証書遺言につき、ご説明いたします。

 秘密証書遺言は、自ら遺言書を作成し、封筒に入れ封をし、これを公証役場に持ち込み、公証人に遺言書の存在を保証してもらう形式の遺言書となります。遺言内容は一切公開されないため、公証人や証人もその内容について知ることもなく、署名や押印に不備ある場合、チェック機能が働かず、自筆証書遺言と同様に形式に不備があり無効となるリスクがあります。したがって自筆証書遺言と同様に、作成の際には細心の注意が必要です。このように専ら遺言書の内容を誰にも公開せずに、公証役場にその存在を保証してもらうための手続きとなりますので、生前に誰にも内容を知られたくないなどの特別な事情がない限り、利用されていないように思われます。

 以上、各遺言書の特徴を述べましたが、個人的には、費用や手間暇がかかっても、比較的無効となるリスクが少ない、公正証書遺言の作成をお勧め致します。