配偶者短期居住権について②対抗要件・法律関係   大田区の司法書士のブログ

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配偶者「短期」居住権について②対抗要件   港北区の司法書士のブログ

2020/06/30

配偶者「短期」居住権の対抗要件について

 配偶者居住権とは異なり、配偶者「短期」居住権については、対抗要件制度を設けていません。

 これは、配偶者「短期」居住権が、①あくまで債権であり使用借権類似の性質を有する権利であること、②存続期間が短期間に限定されていること、が理由とされています。

 したがって、居住建物取得者が第三者に建物所有権を譲渡した場合には、配偶者は配偶者「短期」居住権をその譲受人に対抗することができない(建物を明け渡さなければならない)ことになります。

 もっとも、居住建物所有者は、民法第1037条2項により、第三者に対する居住建物の譲渡その他の方法により、配偶者の居住権の使用を妨げてはならない義務を負っています。したがって、これに反して、配偶者の居住が妨害された場合は、居住建物取得者は、配偶者に対して、債務不履行に基づく損害賠償義務を負うことになります。